会社を立て直す仕事を読んで

だいぶ前に買ったまま積ん読になってしまっていた本を引っ張り出して読んだ。

まず、ターンアラウンドの業務と聞いたときに、ハゲタカという自分にとって本を読むというきっかけを作ってくれた小説で登場する、芝野という人物を思い出す。傾いた会社を立て直すというのがミッション。事業売却や人為削減など、コストカッターによるスリム化を測るというイメージが強い。

この本を読みながら意識していたのは、マーケティングの役割だ。企業だけでなく、観光にも求めるようになっているので、どのように取り入れるのかが気になっていた。

  1. 各セクションがおのおので行なっていたことを連携
  2. パフォーマンスの向上と良好なサイクルを生み出す
  3. PDCAサイクルと数字に関する感度

もはや、市場分析や販促、宣伝活動という部分ではない、従業員に植え付けるものになっていることを感じた。そもそも仕事は与えられた業務をこなすことが仕事だと思っている人の方が多いはず。自ら考え、自ら導き出し、自ら行動する。といった考えだ。かなり経営者的考えに近いように感じる。

このことは観光の視点から考えるとDMOと重なる部分が多い。しかし、ベンチャースピリットのある従業員であれば、高度なことを求めることは悪いことではないだろう。しかしぬるま湯に浸かった人がすぐに変わるのかかなり疑問に感じる。自らがダメだと分からず、ダメな相手を変えようなんて難しいことだと理解する必要がある。大概は自分がダメだと思っていない時点でもはや話にならない。

では、ターンアラウンドマネージャーとしては何を行うか?

価値観や経営の質を担保する基準の設定として「基準設定者」を中心にして3つある。

  • ステークホルダーとのベクトル合わせ「翻訳者」
  • 自らが有言実行「実行者」
  • 変革の基本設計「設計者」

これ、ものすごく大変なことだと思う。実際は経営者や経営に関わる人たちが決めなければいけないことをターンアラウンドマネージャーが行うというのはすごいことだと感じた。

経営センスだけではなく、変革を起こすための設計、またリーダーとしてステークホルダーとの調整、さらに実行者として現場を動かなくてはいけないなんて。考えただけで吐き気がした。

しかし、DMOはそれをやらなくてはいけない。観光という切り口でターンアラウンドマネージャーと同等の業務を行わなければいけないのだとこの本を読んで感じた。細かい進め方などについては本に書いてあるので、読みながら模索して行きたいと思う。