「なぜこの店では、テレビが2倍の値段でも売れるのか?」を読みました。

小さな電器店が大型量販店と違う販売方法が細かく書かれている良書でした。読んでいて、あーそうか田舎の小さなお店と同じなんだなあと思いましたが、細かい部分までは知らないことだらけだったのでとてもためになりました。

印象に残ったことで不得意で採算が合わない商品は売らないというお話です。どうしてもケアが必要で頻繁に伺わないといけない上、価格も量販店にはかなわない。今ニーズのある商品だから売り場から外したら売上が落ちてしまうという不安にかられる可能性もありますが、専門的な知識がさほど必要ない、多くのスタッフが対応出来る商品をメインで販売していくという方法は理にかなっていると思います。

それから商圏を絞って顧客満足度を上げるというのは大切なことだと思いました。例えば、家も消耗品ですのでその都度連絡する。私の場合は賃貸に住んでいるので不動産屋さんに連絡するわけですが、毎回同じ人が来てくれるので助かっています。なぜかというと何度も来ていただいているから今回は通気口が調子悪くて来てもらった、前回はドアの鍵が調子悪くて来てもらったなど状況を知ってもらえるのでいちいち説明する必要がない訳です。

そして何よりその人がどんな人か分かってくるので、話がしやすい関係が作れる。これって商売を行う上で凄く重要なことなんだと思います。この本でもお客様との関係を作る上で何でも屋、「ヤマグチはトンデ行きます!」という関係作りを重視した職場環境を作っていることは素晴らしいなぁと思います。売上重視でしたら「なんでお客さんと面会出来て何かものを売れないんだ!」とか罵倒されるなんてこともなさそうですし。

売上を作ることも社員の個々の能力に頼っているというよりも会社がエリアを決めてくれるし、新規顧客獲得のためのイベントも行っている、そしてこの月はエアコンを売りまくるために特別チームを作るなど社員にすべて任せるのではなく、会社でしっかり指針を決めている。これって当たり前だと思いますけど小さい組織だと出来ていない所結構ありそうな気がします。

この人なら価格が高くても、ちょっとしたことでも来てくれるし、喜んで対応してくれる。これって量販店じゃ出来ないことなんだと思います。大手通信会社の対応とかで実感しました。何かこう毎回違う人だし、対応も何ともという感じなので大手はしょうがないよね、という印象があります。

だからこそこういった小さな会社、カスタマーサポート重視で社員教育を行っている会社っていうのは凄くいいなぁと思う訳です。イベントや招待状など工夫ひとつで来てくれるきっかけが作れるわけですからこういったことは販促を行う上でとても勉強になりました。

なぜこの店では、テレビが2倍の値段でも売れるのか?

なぜこの店では、テレビが2倍の値段でも売れるのか?

トヨタオーリスを代車で乗りました

昨日は車の車検でディーラーに行って代車で自宅まで運転したんですけど、担当の方に「今日は良い車を用意しましたよ」と言われて、ちょっと期待。

でもオーリスと名前を聞いて、まったくピンと来ない。CMで見たことないし、昔からある車なのか知らないだけなのか微妙な感じだった。ガンダムに出てくるシャア専用車があるんですよ!」に対してもへーって思うくらいだった。まぁそんな感じで車に乗るなりやっぱり新車っていいなぁと思うくらいだったんですよ。

でも、そのときいろいろ思ったのは、この代車で運転することもきっと車を知ってもらうためのきっかけ作りなんだろうと考えだしてしまいまして(普通に運転してりゃいいものの)、きっと「シャア専用」とか出てこなかったら普通のオーリスっていうなんか良く知らないけど、おじさんのってそうな車が代車だったよって妻に話そうとしていたと思います。

まぁそんな感じで運転してると、やっぱり新車はいいよなぁとかシートがいいから長時間運転も疲れなそうだなあとか、自分のようなライトユーザーは対して車の機能とか細かいところにこだわりがない。今の新車であればそれなりだし機能に違いを感じないのでお財布事情の方がウェート大きいのが僕です。

そんな最中、興味を持つ要素として「シャア専用」っていいブランディングなのかなぁと思いました、正直そのシャア専用車を購入しなくても、友達にオーリス乗っていて、「へーオーリスっていうんだ?どんな車?」って聞かれたら「ヨーロッパで製造されていて、ワーゲンとかBMWとかそういった車に対抗すべく開発されたスポーツカータイプのトヨタ車なんだけど、シャア専用も出てるんだよ!エンブレムがジオン軍みたいな。」

前半は担当の方に聞いた話を入れてみたけど、知ってもらうきっかけになるんだろうなと思いました。

そんな興味を持ちながら車を取りに行ったときに関連グッズをもらって喜ぶ。これも普通にロゴと車のイメージだけだったらなんてことないんだろうけど、シャア入るとかっこいいなあとか「測ったな!シャア!」のメジャアっていうメジャー(笑。これ分からなかったんですけど、ジオン軍のガルマがシャアの罠によって散るときに「謀ったな!シャア!」をパロったと聞いて、へーと思いました。

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スマホ用の拡張アプリがあったり(店舗の等身大パネルにかざさないと出ないw)、ジオニックトヨタ社員(ジオン軍のパロ?w)募集してイベントとかキャンペーンとかいろいろ今後情報が配信されるようですし、興味を持った人に対して長いことアプローチが出来る仕組みが出来ることは良いことだなと思いました。

まぁシャアばっかりで実際のところはオーリスという車を購入してもらって長いことトヨタとつき合っていくことがゴールなので入り口としてですのでその辺はお願いします。

 

っていうかyoutube調べてて気付いたんだけど、この衝撃的なCMってオーリスだったんかいな。女性だと思ったら実は男性だったって思ったくらいでオーリスだということは全く気付いていなかったなあ。

民宿がビジネスホテルに役目を渡す日

何年か前にGWは北陸は金沢へ行ってきたのだが、ホテルは金沢、加賀、富山とどこもかしこもいっぱいだった。しかし、すべての宿泊施設がいっぱいだったかと言えば、それは否だと思う。小規模で運営している民宿や旅館は満室ではなかったろう。なぜ衰退していったかを列挙していきたい。

1)宿泊案内所の役目が終わった 宿泊客のアプローチ方法がかつての方法と変わってしまったからである。かつての方法と言えば、どこの温泉街にもある「宿泊案内所」であった。観光地へ赴き、泊まるところを探すために案内所まで行き、宿泊施設を斡旋してもらっていた。つまりは宿泊施設側は広告活動を行う必要もなかった。 しかし、時代は変わり、宿泊案内所の存在すら知らない人たちの方が多くなったのではないだろうか?

2)検索によるネットの台頭 その理由はネットの台頭なのだが、検索で宿泊施設を探すことがスタンダードになってしまった。ケータイは今では誰でも持っているツールだし、簡単だ。 ネットへ掲載するためにはホームページの設置や、じゃらん楽天トラベルなどなどへ掲載料金やマージン手数料。民宿をはじめ、小規模の施設がとても費用を捻出できるはずもない。

3)低価格路線の浸透 おまけにオークション宿泊券たるものまで出てきて、低料金を打ち出せるところは限られてしまっている。素泊まりだけであれば、ビジネスホテルの方が、個別の部屋だしテレビにドライヤーなど部屋の備品も充実している。 それに比べ、どちらかというとアットホームを売りにしてきた民宿は現在の時代にはミスマッチになってしまっている。価格が同額でもキレイでプライベートが保たれるビジネスホテルに流れていくのは当然なのではないかと思う。

4)経営者の高年齢化 さらにバブル期にしっかり稼ぎ、その貯えと年金でなんとなく経営出来ている、年配経営者が廃業していることも激減の理由だと思う。 何か新しい取り組みや外部招聘などには、拒否反応があると思う。今までの状態で波風立てずに、終焉を迎えたいという年配経営者の方が多いのではないか?この様子を見ている後継者が後を継ごうとは思うはずもない。

長々と書いたが、小規模の民宿や旅館の役割は終わった。その役目は全国展開をしているビジネスホテルが既に担っている。知名度の高さ=信頼を武器に、知らない、古いから冒険はしたくない。 小さいところ全てが終わったと言っているわけではない。そこにお客様に足を運んでいただき、普段と違う異空間を味わっていただけるような施設や環境を持っているところはきっと現在もお客様は来ているだろうし、支持を得ているはずだ。 施設はなくても、サービスの提供、お客様に喜んでもらえることを創造する。そしてそれらを知ってもらうためにさまざまなソーシャルネットワークを使って認知活動を行う。かなり地道なことなので時間はかかるかもしれないが。お金をかけずにできることはあるはずである。